本連載の記事は、以下の通り。
- 基盤地図情報とは – 基盤地図情報の使い方①
- 基盤地図情報サイトへのアクセス – 基盤地図情報の使い方②
- 基盤地図情報-基本項目の使い方 – 基盤地図情報の使い方③
- 基盤地図情報-数値標高モデルの使い方 – 基盤地図情報の使い方④
4.基盤地図情報-数値標高モデルの使い方
4.1.基盤地図情報ダウンロードサービスからダウンロード
“基盤地図情報ダウンロードサービス”の”基盤地図情報数値標高モデル”の[JPGIS(GML)形式]をクリックする。
ダウンロードするデータのメッシュサイズと地域を選択する。
選択方法について、地域は、地図から選択するか、リストから選択することが可能である。
都道府県ごとにダウンロードしたい場合は、下部のリストから選択した方が良い。種類をから”5mメッシュ(標高)”もしくは”10mメッシュ(標高)”を選択すると、都道府県が選べるようになる。
複数の都道府県や図郭ごとにダウンロードしたい場合は、地図から選択すると良い。
ここでは、地図から選択するので、[5mメッシュ]をクリックする。
地図が出てくるので、マウスのドラッグアンドドロップやホイールなどを用いて、ダウンロードしたい地域へと移動する。
ダウンロードしたい地域の[Click]をクリックすると、青く色が変わり、左側の選択状態に番号が追加される。一度追加した地域については、[削除]をクリックすると、選択状況から消える。
選択状況を、ダウンロードしたい地域のリストにしたのちに、[選択完了]をクリックする。
必要なファイルをダウンロードする。
複数の地域を選択している場合は、[まとめてダウンロード]することもできるが、一度に大量のデータをダウンロードするため、個々にダウンロードするよりも時間がかかることがあるので、注意が必要である。
ダウンロードしたファイルは、解凍ソフトにて、解凍展開する。
4.2.ArcGISでの操作手順
基盤地図情報-数値標高モデルは、基盤地図情報-基本項目と同じように基盤地図情報ビューアを用いることによって、標高データを色分けして見ることができる。
しかし、他のGISソフトで使おうとした場合、エクスポートできるファイルの種類がベクタデータのみであり、ラスタデータでの出力はできない。
標高値は、測量地点について、ポイントデータとして表す方法もあるが、空間的に連続して隙間なく敷き詰められている。※つまり、いきなり異次元に行ってしまうような、標高値のない場所は、少なくとも地球上には存在しない。
そのような情報は、ポイントデータのようなベクタデータではなく、各XY座標について一定間隔で値を与えるラスタデータとして扱う方が都合が良い。特に標高をラスタデータで表したものをDEM(Digital Elevation Model:数値標高モデル)と呼んでいる。
よって、DEMとしてラスタデータで出力するためには、他のツールを使う必要がある。
ここでは、ArcGISで使うことを想定して、ArcGISを使用して、基盤地図情報-数値標高モデルをラスタデータへと変換する。
ArcMapを起動する。
続いて、[ArcToolbox]を開き、[変換 ツール (国内データ)]-[基盤地図情報]-[基盤地図情報(GML)のインポート]を開く。
※ArcGIS10.2.2以降で国内対応パックが当たっている必要があります。
入力ファイルとして、先ほど解凍したxmlファイルを追加する。
“出力ジオデータベース”を飛ばし、以下を目的に応じてチェックを付ける。
”同一種別のデータは 1 レイヤとして保存”:複数の入力ファイルがあり、それらを1レイヤにまとめたい場合はチェックをする。
“異なる測地成果の数値標高モデル(5m メッシュ)を結合”:測地成果は、対象地域を調査した時点や調査機関によって異なる場合がある。チェックをつけておくと、複数の測地成果が入っていた場合でも、同一のレイヤとして保存される。
“出力ジオデータベース”について、
をクリックし、ファイルダイアログを開く。
保存するジオデータベースをすでに作成している場合は、そのジオデータベースを選択する。作成していない場合は、ファイルダイアログの右上にある
をクリックする。すると、新しいファイルジオデータベースが作成されるので、名前を付けて確定させたのち、それを選択して[追加]をクリックする。
“出力ジオデータベース”にパスが入力されたことを確認し、[OK]をクリックする。
変換には、かなりの時間がかかることがあるので、注意が必要である。
無事に成功すると、出力ジオデータベース内にDEM○m結合というラスタデータが作成されており、それがDEMとして用いることのできるラスタデータである。
ArcMapにて確認してみると、このようになる。
これで、ArcGISで用いることのできるラスタデータを作ることができた。
ArcGIS以外のGISソフトで使用する場合は、必要な形式でエクスポートすることによって、変換することができる。
※ArcGISは、Esri社の製品です。
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