職場に届いたので、ちょっとざっと読んでみた。

  • 書名: ArcGIS for Desktop 逆引きガイド 10.3.x 対応
  • 編集人: ESRIジャパン株式会社
  • 出版社: ESRIジャパン株式会社
  • 出版年:2015年

ArcGISの逆引き辞典である。

簡単に言うと、ArcGISであれやりたい、これやりたいのやり方を教えてくれる本だ。

マップにデータを追加・削除したい」だとか、「地名や文字・数値情報をマップに表示したい」など、ArcGISを使っていく上で、こういうことをやるためにはどうすれば良いのだろう、といったことの回答が記されている。

その回答である、操作方法も、画面キャプチャ操作手順の文字での説明、場合によっては模式図などを用いて、わかりやすく説明されている。

紹介されている項目は、大項目で以下の通りである。

  1. はじめに
  2. 基本操作
  3. 座標系と投影法
  4. データの表現
  5. データの作成・検索
  6. 空間データ処理
  7. データの作成・編集
  8. 属性情報の操作
  9. 画像データの操作
  10. その他データの操作
  11. 印刷用地図の作成
  12. 帳票(レポート)・グラフの作成
  13. アニメーションの作成

特筆すべき点は、GISの根幹に関わってくる座標系と投影法がきっちりと一章使われて説明されているところだろう。

GISがGISたる由縁の座標系と投影法の話だが、私の周りにいる人々も含めて、案外ちゃんと知らないままGISを扱っている人が多い。知らなくても、なんとなくそれなりの形のものができてしまうからだ。

だが、これをしっかりと知らなければ、ちゃんとした地図は作れない。特に世界レベルの話をしようとする場合は必須の考え方なので非常に重要だ。

その他、よく使う機能については、私も知っていることばかりであったが、ほとんど使わない機能や知りもしなかった機能なども紹介されていて、非常に勉強になる本だった。

実際には、やはり、

「あれやりたい、でもどうやるんだっけ?」

といったシーンに役立つ本なので、まさに辞書的な本だが、一度一通り読んでみると、ArcGISの使用の幅が大きく広がるだろう。

また、一つだけ注意しなければならないことは、この本は、ArcGISについては非常に詳しく説明してあるが、それに用いるデータや利用シーンについては、ある程度の想定はあるにせよ、詳しく述べられていない。

全てのケースを考えるのは難しいので、当然と言えば当然だ。

この本を扱う人間は、自分がこれからやろうとしている作業は、簡単に言うとどういう作業になるのか。もしくは、どうすれば代替できるのか。そういったことを考えて、この本を引く必要がある。

経験していけば、その方法も自然と身についてくるだろう。

GISは、ありとあらゆる分野に応用可能なツールである。

そういった考え方を持っていけば、ちょっと内容の違う作業があったとしても、対応できるだろう。

そして、わからなくなっても、この本を読んでおけば、この本を引けば、ある程度の操作方法は分かる。

そういった意味では、非常に良い本だろう。