• 書名:位置情報ビッグデータ
  • 著者:神武 直彦・関 治之・中島 円・古橋 大地・片岡 義明
  • 出版社:インプレスR&D
  • 出版年:2014年

ちょっと前の本だが、ずっと気になっていたので、読んでみた。

今、流行(すでに廃れた?)の『POKEMON GO』とかでも使われている、位置のデータを用いて、どのようなことができるのか、といった内容になっている。

我々は、基本的には、ケータイを持ち歩き、時には車に乗ってカーナビを使い、時には電車に乗って移動をする。

これらは、どれも「いつ」「どこで」「なにをした(それぞれの行動の)」といったことを全て記録することのできる行動といえる。

例えば、ケータイは、常にケータイ基地局とやりとりをしているので、自分の位置を送信しているようなものであるし(厳密に言うと、ケータイは送信していないことになっていて、その中で『POKEMON GO』などのアプリが送信している)、

カーナビデータは、やはり、渋滞情報等々の情報をやりとりしているし、

意外と思われる電車移動は、SUICAとかPASMOとかは、「いつどこ駅で乗って」、「いつどこ駅で降りて」、「いくら払った」という情報を常に記録している(これらの履歴は後で自分でも確認することができる)。

こういった、日々、時々刻々と我々自身が蓄積している位置情報は、いまやビッグデータになっている。

この本は、それらの原理や利用方法をどちらかというと、学術視点ではなく、ビジネス視点で解説をしている。そういった本である。

位置情報を使ったサービスは、日々増えており、『POKEMON GO』のようなゲームだけではなく、ナビゲーションアプリや、AR・VRを使ったアプリまで、個人が簡単に使うことができるものだけでも、かなりの数がある。

それ以外にも、マーケティング防災などにも有用な情報を多く孕んでおり、それらの応用先は数え切れないほどに幅広い。

おそらく、すでに多くのサービスが展開されているにもかかわらず、まだまだ開発されていない分野アイデアが世間には隠れているような気がしている。

位置情報やそのデータの性質について、まだ知らない人、理解が浅い人は、ぜひともこの本を読んで、ご自身の持つ知識とつなぎ合わせてみて欲しい。

なお、最初に書いたが、この本は、ちょっと前の本である。

専門家の目から見ると、この2年で世界はさらに進んだ。

原理的な概念の部分は、まだまだ理解に役立つが、それ+αがすでにあるということも考える必要がある。

最新の情報と照らし合わせて考えると、よりよい本かなとも思う。

※『POKEMON GO』について、何度か書いているが、当然この本には『POKEMON GO』は出てこない(2014年出版だし)。