ラスタデータとは、ある決められた範囲について、一定の間隔ごとに属性値を格納していくデータの種類である。

以下の情報を満たすことによって、ラスタデータを作成することができる。

  • 基準点の座標

    地理情報とする際に基準となる点の座標

    左上か左下の隅を基準とすることが多い。

  • メッシュサイズ

    属性値を格納するための間隔

    縦軸と横軸で同じにする(同じにしかできない)ことが多いが、稀に縦軸と横軸で地学間隔で、長方形のメッシュを形成する場合もある。

    メッシュサイズのほか、格子間隔やセルサイズなどと呼ぶこともある。

  • 行数

    縦軸のデータの数

  • 列数

    横軸のデータの数

  • 属性値

    各座標の属性値

    基本的には、列数分の属性値が区切り文字(半角スペースやカンマ、タブなど)で区切る形で並んだ後、改行があり、それが行数分連なっていることが多い。

    また、1つのデータに1つの属性値しか与えることができない。

このようにデータの構造が単純であることが最大の特徴といえる。

いわゆる画像と同じ方式であり、GISソフトの方は、そのまま表示できることが多く、負荷が小さい。

一定間隔でしかデータを表せないため、メッシュサイズによってデータの精度が異なる。

属性値はメッシュの全体を表す値なのか、メッシュ内のどこかを表す代表値なのかは、そのデータによって異なる。そのデータのメッシュサイズを指して、○メッシュのデータと呼ぶこともある。

ただし、端から端まで属性値を入力する必要があるため、ファイル容量が大きくなる傾向がある。より精度の高いデータを作成しようとした場合、メッシュサイズが小さくなり、その分ファイル容量が大きくなる。

標高値(DEM)や気温などの連続的なデータや離散的なデータであっても土地利用人口など対象範囲について全域に敷き詰めて設定する必要のあるデータに用いられることが多い。

その他、空中写真地図画像などに用いられている。