丸善の本店で、たまに古地図販売をやっている。
前にも世界図の古地図を買ったような気がする。
古地図は、今の完成された地図と違って、いろんな試みやバリエーションがあって、ある意味面白い。
一方で、地図としては、正確さには欠けるというものもあったりしつつ、でも、当時の人々は、それで場所を想像したり、場所を訪問したり、行政を執行したりといろいろなテーマに使ってきたんだよね。
今回は、東京の古地図で研究している知り合いがいたのもあり、以下のものを購入
※一応、復刻版の購入なので、写真は遠景のみで
- 東京一目新図(明治30年)
- 東京十五区分図(明治36年)
- 東京全圖:模範新大(昭和10年)
○東京一目新図(明治30年)
この地図、一目で「ああ、綺麗だな」と思ったんだよね。
地図と言うより、どちらかというと鳥瞰図の雰囲気がする。
まぁ、実際に分類で言うと、鳥瞰図なんだろうな。
当時の町並みやシンボルを象徴的に描いていて、地図というその土地の地物を客観的に伝えるというよりは、明治30年の東京という土地を情緒的に伝えてくれる。明治東京の文明開化の空気を感じさせてくれる一枚と言える。当時の人々は、こういう風に東京を感じていたのか、という風に。
色彩も鮮やかで、これはこれで地図ではなく、絵画として飾っておいても綺麗なんじゃないかな。
横文字が右から左で、そうか、そうだったなと思った笑
○東京十五区分図(明治36年)
東京は、今の東京都ではなく、東京も二十三区ではなく、十五区だった。
その頃の地図。
この地図、すごいところが、各地番の範囲が載っているということ。
つまり、その年の住所が事細かにわかってしまうということかな。
これって結構すごいことなんだよね。
まぁ、当時の住所録なんかがどこまであるのか、というお話もありますが、誰がどこに住んでいたのか、なんてこともわかってしまうのね。
○東京全圖:模倣新大(昭和10年発行)
昭和初期の東京の地図。
上記2つに比べると、ずいぶんと今の地図に近づいた。
東京十五区分図に引き続き、この地図すげえな、と思ったのが細かくも地番が入っているところ。
その他、地図記号や路面電車の駅? などなどがけっこう事細かに書いてある。
ちなみに、その当時の地図なので、横文字が右から左になっているね。
昭和くらいだったら、いくらでも調べればわかりそうだけど、これはこれで面白い。
当時の様子を知ることのできる地図かね。
と、まぁ、いろいろな地図がこれまで作られてきた。
今はネットの世の中で、歴史的農業環境変遷システムとか、ちょっと古い地図を配信していたり、研究所とかが地図をネット公開していたりと、なかなか著作権的にどうなの、って感じがしないでもないが(おそらく、古すぎて著作権フリーなんだと思うが)、いろいろなところで見る機会はある。
でも、なかなか紙媒体で復刻されているものを手にする機会は少ないので、これはこれで味わいがあって良い。
高かったけどね(涙笑
まぁ、研究材料になるのか、アンティークになるのか。
個人的には手元にあっても満足になってしまうかもしれないが。
これをもって、現地を歩いて、どういう形で変わったのかということを考えてみるのも面白いかもしれないな。
コメントを残す