書棚は、技術書ばかりが占めているので、ここでは、少しポップなものを挙げてみましょう。
- 書名:古地図で巡る 百年越えの老舗 東京
- 編集人:齊田令子
- 出版社:JTBパブリッシング
- 出版年:2013年
最近、流行のまちあるきのお供になってくれる本である。
だいたい江戸時代から明治の間に開店した老舗食事処をその歴史とこだわりをベストショットとともに紹介する。
場所は東京。
つまり、江戸だ。
その中でも、
- 浅草
- 上野
- 両国
- 神田
- 日本橋
- 銀座
- 六本木・赤坂・麻布
- 南千住・三ノ輪
- 王子・巣鴨・駒込
を取り上げている。
この本最大の特徴は、江戸切絵図と現在の地図を取り上げて紹介してくれるところだ。
江戸切絵図は、簡単に言うと江戸時代の簡単に持ち歩ける江戸案内地図のようなものだったようだ。江戸時代の街の形状や、屋敷の所有者などが書かれている。
ちょっと、江戸時代にタイムスリップした気分で、百年前から続いている老舗をより楽しませてくれる。
そして、その次のページに現在の地図があり、今と昔の対比をイメージさせてくれる。
ただし、一つだけ地理屋として頂けないと思ってしまったのは、その江戸切絵図と現在の地図がきっちりと対応しないページがあることだ。
江戸切絵図は、正確に測量して作られた地図ではないので、100%重なることはないのだが、それでもやはりある程度は重ね合うようにしてほしい。
そうすることで、江戸時代のどこが今のどこと対応しているのかを簡単に読み取ることができる。
もし、修正版が出版されるのであれば、ぜひ検討してもらいたいところである。
それでも、この本は、老舗とその地域を訪れる楽しさを倍増してくれる。
これを持って、現地を訪れたなら、今はブランド街や繁華街になっている地域をまたちょっと違う一面を発見することができるのではないだろうか。
ちなみに、江戸切絵図は、国会図書館の国会図書館デジタルコレクションにて、無料で見ることができる。
その他、goo地図でも現在の地図と重ね合わせてみることができるので、見てみても面白いだろう。
ただし、なんか、幾何補正かけ過ぎなのか、すごい歪んでいるような気もするが??
それもまたをかしなのかね。
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