過去2回でラスタデータベクタデータについて、語ってきた。

それでは、ラスタデータとベクタデータは、どのような特徴があるのか、長所と短所を簡単にまとめてみた。

データ構造 ラスタデータ ベクタデータ
メリット
  • 構造が単純である。
  • 表示が比較的簡単である。
  • 情報量に対して、容量は小さい。
  • 複雑な図形を表せる。
  • 空白域を作れる。
デメリット
  • 容量が大きくなりがち。
  • データとして隙間を作れない。※空白値は入れられるが、空白値を表す値を入れる必要がある。
  • メッシュサイズごとにしか属性値を入れられない。
  • 構造が複雑になりがち。
  • 表示ごとに計算する必要がある。
代表的なデータ
  • 標高値(DEM)
  • 土地利用
  • シミュレーション結果
  • 空中写真
  • 植生指標
  • 背景地図
  • 建物形状
  • 地区割り
  • 都市計画
  • 道路
  • 河川
  • 施設の位置

ここで挙げたデータは代表的なものである。

解析方法や目的などによって、ここでラスタデータの代表として挙げている項目をベクタデータとして扱ったり、ベクタデータの代表として挙げている項目をラスタデータとして扱うこともある。

使用用途を考え、どのような形式が最も適合するのかを考えて、データを選定すると、より容易に目的を達成することができるだろう。