ベクタデータとは、位置を表す図形とそれに紐づく属性が一対になったデータの種類である。

図形の情報は、大きく分けて、ポイント(点)、ライン(線)、ポリゴン(面)の3種類のタイプに分けられる。

各頂点の座標と図形のタイプを記録しているだけなので、比較的ファイル容量は小さくできるのが特徴として挙げられる。※頂点数による。

ただし、表示するごとにGISソフトが各頂点の座標から図形を計算して描く処理が入るため、コンピュータへの負荷は大きいものとなる。特にラインデータやポリゴンデータは、図形ごとに頂点数が変わることがあるので、一定容量にならず、構造も複雑になりがちである。

複雑な形状を表すことにでき、ラスタデータと違って、対象範囲内に空白の領域を作ることも可能である。その図形内は同一属性(等質地域)として扱われる。

属性データは、属性テーブルといった形で作られることが多く、図形と属性が同じファイル内に存在する場合もあるが、ArcGISのように図形(shp)と属性(dbf)が別のファイルになっている場合もある。

属性テーブルには複数の属性を格納し、各図形に与えることができる。

ベクタデータで地図を作ってみると、以下のようになる。

それぞれ、火山がポイント、世界の主な河川がライン、国がポリゴンのデータとなる。

※しかし、世界の主な河川が日本に3つしかないのも衝撃だな。。。

このように、主な使用例としては、建物形状や地区割り、河川、道路といった複雑な図形になりがちなデータや施設の位置、山の位置や樹木位置、観測地点などといった特定の位置に意味を持つデータで用いられていることが多い。

ちなみに、ArcGISのshpの構造は、公開されている。

シェープファイルについて | もっと学ぶ | GIS をはじめよう | ESRIジャパン

ただし、ArcGISは、昔から使っているshpからファイルジオデータベースやパーソナルジオデータベースに移行をはかっているようなので、いつまで用いられるのやらというところではあるが。