GISを扱う上で、もっとも重要な概念が地理情報である。
この世の中には、地理情報が溢れている。
GISで用いる地理情報というのは、地理(位置)と情報(属性)が一対になったデータのことを指す。
例えば、北緯35°40’50”、東経139°46’0″という位置と建物種類が駅という情報があったとする。北緯35°40’50″、東経139°46’0″はただの緯度経度の座標であり、その場所を表す以上のものでも以下のものでもない。
それに対して、建物種類が駅という情報については、それはすべての駅に当てはまる情報であり、それを表すだけの情報だ。
これらが組み合わさることによって、北緯35°40’50″、東経139°46’0″の建物種類は駅であるというどこ(位置)がなに(属性)という地理情報ができるのである。
地理(位置)を表すものとしては、緯度経度の他にも様々なものがある。
例えば、住所が挙げられる。
GISの座標系ではないが、位置を表していることには変わりがない。
アドレスマッチング(ジオコーディング)することによって、GISで扱える地理情報となる。
その他、例えば、教室の三つ前、一つ右の席などというものも位置を表している。
相対座標と呼ばれる。
それが測量原点からの相対座標ともすれば、各座標系の座標として、GISで扱われている地理情報となる。
情報(属性)の方は、ありとあらゆるものが挙げられる。挙げられないものなどない。地球上にあるありとあらゆるもの、事象、性質などだ。
目的に応じて、地理(位置)と組み合わせることによって、GISを用いた様々な分析に利用できるのである。
そして、その地理情報は、離散的、つまりある場所とない場所があるようなものと、連続的に絶え間なく敷き詰められるようなものに分けられる。
それらを表す地理情報データは、そのデータ形式に合わせて、ラスタデータとベクタデータが挙げられる。
これらは、地理情報データに限らず、画像ファイル一般に用いられる形式である。
それぞれの特徴を捉えて、利用していくことが必要である。
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