仕事の傍ら、プライベートでやっていた研究がとりあえず一段落付いたので、今日はほっと一息ついていた。※まだ終わってはいない。

昨年、再開してからかなり撮りためていた『ブラタモリ』をまとめて一気観した。

以前やっていたときは、両親が絶賛していたが、私は観ていなかった。

ただ、改めて見てみると、

いやッ、おもしろい! と膝を叩く。

さまざまな場所へ出かけて、その土地のさまざまな地理を見ていく。

札幌、奈良、金沢、博多、軽井沢、日光などなど

誰もが聞いたことのある土地を取り上げて、タモリと桑子アナがその土地の歴史、地形、産業などをまちあるきしながら解き明かしてゆく

地誌だね。

地理の授業でとりあげるような話をひたすらやっていく。

すばらしい!

しかし、地理学の専門家の私が見ても、タモリは本当に地理的に鋭い。

これがまたうまいスパイスになっていく。

そんな面白い番組の中で、実は、かなり高度な学問的な話題がかなり詰め込まれている。

今日、観ながら思ったことは、

高校の授業でつかったら非常に面白いだろうな

ということ。

高度な学問的な話題を非常にわかりやすく映像で表現している。

あの部分だけ抜き出しても、授業で使える。※著作権的な話はともかく

きっと、高校の地理の先生で使っている人がいるんじゃないかなと思う。

CiNiiで検索してもひっかからなかったけど、誰か『ブラタモリ』を使った地理(もしくは地学)の授業の学習効果に関する研究をしてくれないものかなと思う。

つーか、わけわからない授業しているよりよっぽど子供達の学習となるよ。きっと。

地理は地理分かっていない教員が持っていることも多いし(歴史の教員とかも持ってるし)。

その他、よくよく出てくるのが、赤色立体地図

これは、アジア航測の特許技術だね。

この赤色立体地図は、地形変量を用いた地図表現手法で、地形の凹凸が非常に見やすい。

地形判読には非常に役立つ地図だ。

ちなみに、特許技術なので、勝手に作ると、怒られるけど、ざっとした作り方は、地形表現手法の諸問題と赤色立体地図(千葉 達朗・鈴木 雄介・平松 孝晋. 2007. 地図. J-Stage)に書いてある。

開発者の千葉達朗さんは、以前、アジア航測のブースでお会いしたことがあるけど、非常に面白いお話をされる方だった。

まぁ、それはともかく、これもまたGISだからこそ、作れた地図表現といえるのではないだろうか。

 

また、よく出てくる地図には、基盤地図情報が使われていた。

非常によくGISが活用されている良い例であると思われる。

地理を意識せずに、バラエティとして見ても、非常に良い地理の勉強になる。

さすが、過去に日本地理学会賞-団体貢献部門に選ばれただけのことはある(非会員であるにも関わらず)。

ただ、地理を意識しながら観ると、もっともっと面白くなってくる非常に良い番組だ。

タモリが気にするポイントが同じなので、けっこう繰り返しの部分も多い。

そう思うと、地理を知らない人は半分しか楽しめていないのは、もったいない。

地理を知らなくても良い。ただ、地理ってこういうものなんだと思いながら、観ていくと、自分の知識を増やしながら、より楽しんでいけるのではないだろうか。

後は、その場所に行ってみるのも面白いかもね。

これこそ、まちあるきの醍醐味だ!